住みたい街「成城」~成城流儀 vol.02
「成城」という響きに何を思い起こすだろうか?
それは自分たちの生活と遠いところにあるものだろうか?
街の歩みを知り、街の人の声を聞くことで
この街がなぜ住みたい街として人気なのかが見えてくるはず
それはきっとあなたの「生活の流儀」になり得るはず。

成城流儀その1

COLUMN

成城はなぜ多くの人に愛され続けるのか。その秘密を紐解きます。

スタートは見渡す限りの雑木林

「雑木林、家一軒もない、この百二〇町歩の高台、地価は安く、家はなし、いい高台で、西に富士の秀峰、足下は玉川の清流、全くふしぎな土地でした」―これは成城学園創立に尽力した当時の主事・小原國芳氏が、「教育問題研究・全人(1928年 第21号)」に記述した一文。その何もない土地こそが、現在、成城学園がある場所です。成城学園のルーツは、日本教育界の重鎮、澤柳政太郎が1917年に東京市牛込区(現東京都新宿区)の私立成城学校の敷地内に創設した成城小学校にあります。独自の教育方針を掲げた成城小学校は多くの支持を集めました。小学校卒業後の進路として、その教育精神に則った新しい中学校を父兄に熱望され、成城第二中学校を創設。さらにその進学先を…と、いよいよ新たな校地が必要となり、移転先となったのが北多摩郡砧村、現在の世田谷区成城でした。

武蔵野の面影を大切に、学園都市建設へ

いくつかの候補地の中から、何もない武蔵野の田舎に決めたのには理由がありました。当時小田急電鉄が事業を開始するという情報を聞きつけた小原氏は、小田急電鉄と交渉。その結果、現在地に学校名を冠した急行停車駅を作るという約束を取り付けました。この結果も功を奏し、学園建設用地が砧村に決定したのです。これでいよいよ、成城学園を中心とした学園町建設計画が幕を開けました。
住宅地は、武蔵野の面影を残したいという願いから、敷地の四分の一以上には建物は建てないこと、コンクリートや木造の堀は作らないことなどを取り決めました。また、学園では桜の苗を1万本購入して道路の両側に植えました。これが今日に続く、成城の街を彩る桜並木です。

創立100周年を迎え、街と共にさらなる発展を

1925年、学園の移転第一陣として新校地に建てられたのは、成城第二中学校。同年に成城玉川小学校、成城幼稚園を、翌年に成城高等学校(旧制・7年制)を、その翌年には成城高等女学校創設し、成城学園は総合学園となりました。その間、住人が移り住み、住人たちの声によってガスや電話が引かれ、病院や郵便局が造られて商店が生まれ、少しずつ街が形作られていきました。そして1927年の4月には、待ち望んだ小田急電鉄が開通し、「成城学園前」駅が誕生。街の発展とともに「成城」の名が浸透すると、1936年、一帯が東京市に併合された際に「世田谷区成城町」となり、名実ともに成城学園はひとつの「街」となりました。
何もない雑木林から、閑静な住宅地へと進化を遂げた成城。今も昔も変わらずに街とともに歩み続ける成城学園も、2017年で創立100周年を迎えます。創立当初から受け継がれる教育方針の下で学び育った子供たちの笑顔と若い力が、この街の未来をさらに明るいものにしてくれると願って。

成城流儀その2

INTERVIEW

成城を愛する人たちにその魅力を語っていただきました。

作家/荻原浩さん

作家/荻原浩さん

1956年生まれ。埼玉県大宮市出身。成城大学経済学部卒業後、コピーライターとして広告代理店に勤務。1997年、長編小説『オロロ畑でつかまえて』で第10回小説すばる新人賞を受賞し小説家デビュー。山本周五郎賞に輝いた『明日の記憶』は渡辺謙主演で映画化もされた。代表作に『愛しの座敷わらし』『砂の王国』『冷蔵庫を抱きしめて』などがある。

学生街の賑やかなイメージとは異なる静かな街。
よく駅前の喫茶店に出入りしていました。

大学4年間の青春時代を過ごした街・成城

『明日の記憶』などの著作を持つ荻原浩氏は、大学時代の4年間を実家のある大宮から成城まで通って過ごした。当時の成城学園前駅はまだ小さい駅舎で郊外の街といった趣。入学する前、成城大学は坊っちゃん大学のひとつだろうという印象を持っていた。ところがいざ入学して見ると、馬術部の生徒が練習をする姿が電車から見え、そののどかな風景に「なんてところに来てしまったんだ」と驚いた当時を振り返る。
成城は大学があるのに学生街らしくない、静かな街。当時はまだチェーン店もなく、大きいビルもない。駅前にパチンコ店がないことも他の郊外の街に比べて印象的だった。少し駅から離れると大きな屋敷が立ち並ぶ閑静な住宅街が広がる。さらに少し行くと田畑が広がっていた。憧れの芸能人も数多く居住し、時折有名俳優がラフな格好で車を洗う姿も見られた。学生仲間のなかには有名人の邸宅巡りをする人もいたほど。
当時は大学のキャンパス内に建物も少なく、よく草野球をして過ごしたという。所属していた広告研究会の部室や駅前の喫茶店で仲間と語らうことが多かった。「今はもうないのですが、青柳という和菓子屋の2階にあった喫茶店によく行っていました。あと駅の近くの成城飯店という店もボリュームがあって好きでした。そこで中華丼を初めて食べたんですよ」。

進化する街並みと変わらない魅力

都内に住むようになってからも時折、お花見の時期には車で砧公園を訪れた。駅前のイチョウ並木が印象的で、いまでもイチョウ並木といえば思い出す場所だ。「成城は街行く人が洗練されていたイメージ。悪いことをするような人間はあの街にはいなかったんじゃないでしょうか」。
成城の街を知ってしまったあとでは、他の高級住宅街と呼ばれる街に行った時に、案外普通の街だと感じてしまったと話す荻原氏。現在の成城は駅前を中心に様変わりしていて驚いたという。成城の街はこれからも進化を続け私たちを驚かせてくれるかもしれない。しかし、時が経っても変わらない魅力も確かにそこに在り続けるだろう。

成城流儀その3

SHOP

成城の街で愛される、憧れの有名店と注目の新店をご紹介します。

成城コルティ

[店内写真]

生活に役立つショップが揃う駅ビル

成城学園前駅に直結した商業施設。成城の街にふさわしい環境を創造することをコンセプトに、日常に役立つ36の店舗で高品質な商品やサービスを提供している。4Fの東西に設置された屋上庭園はくつろぎと憩いの場。天気のいい日には西からは富士山、東からはスカイツリーを眺めることができる。

SHOP INFO

成城学園前駅直結
TEL:03-3483-5621
住所:東京都世田谷区成城6−5−34
時間:10:00〜21:00(ショップ)、11:00〜22:30(レストラン)
※営業時間が一部異なる店舗あり
定休日:不定休
URL: http://www.seijo-corty.jp

L’atelier de Plaisir

[店内写真]

開店前から行列の絶えない人気店

祖師谷大蔵と成城学園前の間の住宅街にあるべーカリー。オリジナルの製法・配合により作り上げられたパンたちは平日でも夕方にはほぼ完売してしまうので、早めに買いに行くのがベター。なかでも切り口が鮮やかなパンオフリュイルージュ2014はピスタチオやベリー、レーズンなどが宝石のように詰まっている人気のひと品。

SHOP INFO

成城学園前駅北口より徒歩約8分
TEL:03-3416-3341
住所:東京都世田谷区砧8-13-8 ジベ成城1F
営業時間:12:00~19:00
定休日:月曜・木曜
URL: http://www.plaisir1999.com/

成城アルプス

[店内写真]

重厚な雰囲気のサロンでゆったりとした時間を

1965年創業の洋菓子店。2階はサロンになっており、喫茶メニューのほか1階で購入した商品も飲食可能ゆったりと高級感のある時間を過ごすことができる。鮮度を大事にし、店舗に併設されたアトリエで菓子作りを行っている。厳選された素材を使い、フランスやスイスで研鑚を積んだシェフパティシエが腕を揮う。

SHOP INFO

成城学園前駅北口より徒歩約1分
TEL:03-3482-2807(代)
住所:東京都世田谷区成城6-8-1
営業時間:9:00~20:00
定休日:火曜
URL: http://www.seijo-alpes.com/

成城風月堂 成城学園前駅前本店

[店写真]

創業大正7年の和洋菓子屋

成城の街で愛され続ける、手作り和洋菓子の店。2階は喫茶室になっており、喫茶メニューのほか1階で購入した商品も飲食可能。駅に近く近隣住民の憩いの場となっている。大量生産でない手作りの生菓子に力を入れ、地元の客のために手作りお菓子を作り続けている。季節の上生菓子は見た目にも麗しく、ちょっとした手土産にも最適。

SHOP INFO

成城学園前駅北口より徒歩約1分
TEL:03-3482-0551
住所:東京都世田谷区成城6-10-8
営業時間:8:30~21:00(喫茶室は20:00ラストオーダー)
定休日:無休 ※元旦、メンテナンス休業あり
URL: http://www.seijofugetsudo.com/